株式会社メディオクリタス

Mediocritas, Inc.

150 0012 東京都渋谷区
広尾1丁目131
フジキカイ広尾ビル

電話
03-5488-7277(代表)
FAX
03-5488-7278
facebook © 2021 Mediocritas, Inc.

知見・論考

第1回 逆転キッチン 池田和寛談

逆転キッチン
-逆転キッチン 製品企画以外への応用は可能か?
逆転キッチンで言っている未来を描くとなるとやっぱり企画系になるとは思いますけど、コンセプトを適用できるのは企画だけに留まらないと思います。
たとえば今支援している会社さんだって製品企画の話ではなく、モノづくりの未来の話をしています。
戦後50年の日本の企業の成長はすごいものがあって、町工場から始まって50年でグローバル企業になる会社もありました。そうしてどんどん組織が大きくなってくると、極端な話、隣の席の人が何やっているかわからなく、完全に縦割り組織になっていきます。全体が見えづらい中、与えられた作業をこなすのがメインになって、そのままずっとやっていくと、今の時代に合わないモノづくりになってしまいます。



だから改革をしても部分最適で、たとえば生産と言ったら生産だけ特化してやります、開発だったらソフトウェアの領域だけやりますというように、その単機能だけの効率・生産性向上が主な活動になってしまい、全体としての最適化という観点から見るとそもそもそれいらないのでは?という活動も散見されます。組織が大きくなりすぎてゼロベースで変えていくのが難しくなっている訳です。だから、今の延長線上でプロセスを再定義するのではなく、未来のモノづくりのあるべき姿からどのようにバリューチェーンを再構築するのかと考えるならば、逆転キッチンの考え方はモノづくりのオペレーション領域のアプローチとしても十分機能すると思います。
そしてそれは、コンサルティング業界の中ではTo Beモデルという言い方をするんですけれど、私はTo Beではなく、お客さんの未来という言い方にした方がよりしっくりくると感じています。To Beというとよく業界的に【あるべき姿】というんですけれど、そうではなくてお客さんがなりたい姿を描いてあげる、それをVisionと定めそこに向かってどうトランスフォームしていくのか、そういった考え方でやった方がいいと思っています。私たち経営コンサルティングがお客様に経営革新を促していく場面でも逆転キッチンのアプローチは十分機能すると思います。
つまり、平たくいうと現在の延長線上にないアプローチをするときのやり方なのでモノを作るとき・企画をするとき・経営改革をするとき、なんでもいいと思います。スポーツのフォーム改善だっていいかもしれない。今の延長線上にないパフォーマンスを出すにはどうしたらいいか、未来で自分が求めるパフォーマンスがどうありたいのかから、逆引きして何をすべきなのかそういったことに利用できると思います。